★【インナーチャイルドセッション事例①】★愚痴ばかりの母★
インナーチャイルドセッション(事例)
ご相談にいらしたTさんは、50代の女性です。
ご主人との関係ではなく、母親との関係にモヤモヤがあるとのことでした。
Tさんはご実家から離れた所に暮らしており、お母さまとは月に何度か電話でやり取りをするそうですが、「ここ数年、母親は口を開けば父親の「愚痴」ばかり。その愚痴が止まらない」ことで、嫌気がさしていると…。
「父親は無口であまり話さないから、仕方ないのかもしれないけど」とも。
Tさんは最初は「年もあるだろうし、愚痴くらい聞いてあげよう」と思っていたそうですが、(母親の)父親への"当たり"も激しく、聞くに堪えなくなっていきました。
一度Tさんが「もう、お父さんの愚痴は聞きたくないよ」と伝えると、母親は「私の気持ちを誰もわかってくれない」「私が悪いのね!」とそっぽを向いてしまいました。
また、お母さまの愚痴はTさんだけでなく、Tさんの妹さんやご主人にもこぼしていたそうですが、何よりTさん達は、自分の父親(お孫さんにとってはおじいちゃん)でもある人の悪口、愚痴を聞かされることに行き場がなくなり、母親との距離を取っていきました。
すると母親は「どうして来てくれないの?」と電話をかけてきます。
「お母さんがもっとポジティブなこと、楽しいことを話せばみんな来てくれるんじゃない?」とTさんが伝えると「やっぱり、私が悪いのね(怒)」と埒が明かない状態です。
「いつか母親もわかってくれる、気づいてくれる」と思って様子を見ていたそうですが、お母さまは一向に変わる気配がなく、
「今度実家に行く予定があるけれど、会うのが憂鬱でどうしていいかわからない」とのことでした。
その時に母親のことを心配していない自分、会いたいとも思っていない自分に一時ショックを受けたそうですが、何より…母親への嫌悪感が高まっていることに気づいてしまったそうです。
Tさんのお母さまは「昔は明るくて元気で、綺麗で面白くて、自慢の母親だった」と言います。
さらにお話をうかがうと「でも、自分がいちばんつらい時に味方になってくれたのは母親だった。母親はすごいなと…。今は変わってしまった。あの時の母に戻ることは難しいのかもしれないし、母にもつらいことがあったのだと思う。そのことを私はわかってあげられない…。だからどうしていいのか…。」
と泣きながら話してくださいました。
Tさんは当初、お母さんの愚痴をやめさせたい、気づいてほしいということに目を向けていましたが、今は「母親のことをわかってあげられない自分」をどうしていいかわからない状態になっていたようです。
そこでTさんを「母親のことをわかってあげられない自分」を感じる原因となった幼少期へと退行誘導していきました。
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私は13歳で、母は35歳です。
母はダイニングテーブルに座り暗い、悲しそうな顔をしていますが、母にそれを問うと「何でもないよ」と。
でも「お母さん、つらそう。こんなお母さん見たことない(号泣)」
- ▶13歳のTさんはそれを見ても何もできずにいます。それも仕方のないことです。代わりに今のTさんに、イメージでその場に行ってもらいました。
(号泣…)
「お父さんがあまり話さない人だから、お母さんがひとりで寂しいって」
(号泣…)
「でも、そのことを私は知らなかった。子どもに心配かけたくないって、お母さんはひとりで頑張ってた…」
(号泣…)
「本当はお父さんといっぱい話したかったみたい。ひとりで色々抱えてた。お母さんをハグしてあげたい」
- ▶幼いTさんはお母さんの背中をトントンして、たくさんハグしました。
「お母さん、大変だったね。気づいてあげられなくてごめんね(号泣)」
- ▶現在のお母さまとTさんをイメージしてもらいました。
「お母さん笑ってる。愚痴も言っていない。嬉しい!」
- ▶(本当はお母さんを見捨てたくなかったんだよね。笑顔が見たかったんだよね。寄り添って分かってあげたかったんだよね。)
「もう寂しい思いさせないからね。お母さん、大好きだよ」
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(Tさん)
私も妹も父親譲りであまり口に出せない。母はそれが寂しかったと思う。ずっとずっと、寂しかったんだと思う。家族みんな母に対してあまりしゃべらなかった。
(セラピスト)
Tさんがつらい時、お母さんはいちばんにTさんを支えてくれていましたもんね。今度はTさんがお母さんを支える番ですね。お母さんのように上手にできないかもしれないけれど、味方でいるよという思いを伝えるチャンスを、今お母さんにもらっているんだと思いますよ。
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インナーチャイルドセッションは、とても難しいものです。
セラピストが「愚痴を言うことをやめてもらう」「母への嫌悪感がある」ということにフォーカスをしていては、何も解決しません。
なぜなら、それは二次感情的な部分だからです。
感情はあっという間に変化し、最終的には「怒りの矢」になっていきます。
そしてその怒りの矢の「矛先」を、相手に向けたり自分に向けて苦しみだします。
相手に向ければ批判的になるし、自分に向ければ自責になります。
実際その矢は痛みを伴いますので、どれだけの痛みなのかや、なぜ矢が刺さったのかなどをクライアント様はお話ししますが、その怒りの下には「悲しみ」が隠れていることが多くあります。
そしてその「悲しみ」の下には喜びや愛など、人の根源的な何かがあります。
セラピストはその愛の部分を、クライアント様に思い出してもらうこと…
それができなくてはいけません。
自分で放った怒りの矢を抜くこと、解放することは一時的に楽になりますが、また同じような現象が起きてしまうのです。
自分の持っている優しさ、思いやりを思い出してもらう誘導をする必要があります。
Tさんは「いい加減、母親の愚痴を聞きたくない(怒り)」という思いから、「母を心配していない(驚き)」自分に気づきショックを受けていました。そして「母をわかってあげられない(悲しみ)」へと、お話しをすることでご自身で解放されていきました。
あとセラピストがすることは、「愛」に触れていただくことだけです。
Tさんの顕在意識は気づいていないようでしたが、「大好きな母を見捨てたくない」という思いやりがありました。
けれど、お母さんを通して、見捨ててしまいそうな自分に、嫌悪感を感じていたのです。
Tさんの「お母さんをわかってあげられなかった悲しみ」の奥底にある、自分や母親の優しさに触れることが必要だったんですね。
そして、いつも母親からもらっていたその優しさを、今度はお母さんに返してあげるチャンスを、お母さんからもらっていたのです。
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セラピストはこの仕組みや法則がわかっていて、そして何より自分自身が愛に触れた経験が必要です。
「愛に触れる」というのはとても抽象的ですが、こうしてセッションでクライアント様を通して共に愛に触れさせていただくこともできます。
また、日常に「愛」は転がっていることに気づくことも大切なのかもしれません、
子どもを叱ることの根本は「愛」だったりしますから。
朝起きない子どもに「自分で起きられないと、大人になってからダメな人になるよ」と厳しくいうのも、大切な子どもを誰にも傷つけられたくない、という思いからくるものでしょう。
セッションを通して、クライアント様と共に変容を体験させていただけるセラピストというものは、本当に一生を通して学び続ける必要があると思っています。
悩みや課題だけでなく、大切な人生の思い出を共に体験させていただくのですから。
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プロのセラピストにならなくても、こうしてセラピスト側をしてみることは、何よりも成長ができます。
- 人生の歩幅を変えたい
- 違う視点から物事をみてみたい
- 人を癒すことをしていきたいetc…
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