【インナーチャイルド③】*統合とは*生まれてきた目的を知った*インナーチャイルドは愛の存在
前回の続きです。
Aさんはこんなことも話してくれました。
- 3歳の時、父が亡くなったこと。
- 2,3歳の頃、海で父に貝殻をもらったが、特にほしくもなかった。でも、父を悲しませたくなかったから、貝殻を受け取ったこと。
- 父の抱っこが嫌で、よく泣いていたこと。
- 祖母同士が仲が悪かったこと。
- 父が他界後、母は忙しく働いていたので、日中は祖母(父方)に育てられたこと。
- その祖母は弟たちを可愛がり、自分は粗末に扱われたこと。
【インナーチャイルドセッション】
2,3歳のAちゃんが出てきてくれました。
祖母の家の庭で、ひとり砂を入れて遊んでいます。
「自分だけの世界」…周りとの境がないような、ボヤーっとした空間にいて、楽しくも悲しくもない、無感情の世界。
「変な感じ」…でも、胸が痛い…
その胸の痛さに思いを話しもらおうと、声を掛けましたが、黙り込んでいます。
大人のAさんは「聞こえない…いえ、聞こえないようにしている感じ」と言います。
「大丈夫だよ。言ってごらん。言葉に出してごらん。ここにいる人はあなたの味方だから大丈夫だよ。なんでも言っていいんだよ」
と声をかけ続けると、最初はポツリポツリと、そしてその後は強く言葉を発してくれました。
さみしいよ…
くやしいよ…
きついよ…
死にそう!
爆発しそう!
ちぎれる感じ…
体がなくなる…
まだ2歳のAちゃんは、こんなつらい感覚を持ち続け、でもどうしても抱えきれなくなって、その思いと供に、その時の体験や自分を潜在意識に隠したのだと思います。
自分を分離するほか、なかったのだと思います。
◆そこで、Aちゃんと、分離した「aちゃん」に対面してもらうことにしました。
Aさんは「緊張する。でも会ってあげたい。会わなきゃ」と。
小さな椅子を2つ、イメージで用意してもらい、まずは小さなAちゃんが座ります。
aちゃんが座わってくれません。
すごい顔をしていると感じるAちゃん。
きつい顔、怒っている、悔しそう。
aちゃんが、「私からは行かない。そちらから来て」というジェスチャーをします。
Aちゃんは、aちゃんのそばに歩いていくと、しばらくして、aちゃんが口を開いてくれました。
「私じゃないのに。信じてくれない。弟がしたのに。味方した。謝ってもくれない。悔しい、くやしい!」
◆その出来事へと退行してもらいました。
そこでは、一番下の弟が泣いていました。
その様子をAちゃんと下の弟S君が見ています。
おばあちゃん(父方の祖母)がやってきて、こう言いました。
泣かしたのAちゃんやろー?!
こんなことするのは、Aちゃんやろ!
S君はそんなことするはずないもんな!!
違うと言っても信じてくれません。
その後、S君が「僕がやった」と白状しましたが、おばあちゃんは自分の言ったことに対して、そしてAちゃんを傷つけたこともなんとも思わないのか、Aちゃんに対しても謝りもしません。
なんで?なんで?
私、何かした?
やっぱり、私のこと、かわいくなんだ。
本当に、おばあちゃん、大嫌い!
でも、そんなことは言えない。
この気持ちを、自分の中にしまった。
そして、自分のことも嫌いになった…と。
クライエントのAさんが、もしその場にいたら、祖母にこう言ってあげたいと。
「この子じゃないの。信じてあげて。そして、間違っているんだったら、ごめんって謝ってあげて。それだけでいいから」と。
おばあちゃんは、それを聞いておどおどしています。でも強がって態度を変えません。
Aさんは思います。
イライラする!
素直に認めないこと、差別すること、本当に嫌い!と。
きっとこの時にAさんのコアビリーフ、信念が築かれていったのだと思います。
(Aさんは、常に誰に対しても公平であるように心がけていると、以前話してくれました)
普通のインナーチャイルドセッションなら、ここで傷ついたaちゃんを大人のAさんが抱きしめて、元気づける言葉をかけて終わり…なのですが、それでは中途半端の癒しになってしまいます。
頭、思考は癒されるかもしれませんが、「こころ」は何か忘れ物があるような、消化不良な状態になってしまうのです。
なぜなら、インナーチャイルドは愛の存在だからです。
自分だけでなく、身近な人、大切に思っている人をも癒し、笑顔になってもらいたいという思いがあるから。
自分だけが癒されて、安心して終わり…というある意味、自己中心的な存在でもなく、ただ幼くて傷つきやすいだけではないんです。(注1)
なぜ、おばあちゃんはそのような人になってしまったのでしょうか?
きっと原因があるはずです。
◆その原因となるおばあちゃんの幼少期へ、Aさんが代わりに見ていくことにしました。
2,3歳のおばあちゃん、すみえちゃん。元気そう。走り回ってる。
お父さんは怒ると痛いゲンコツをしてくるけど、お母さんは優しそう。
すみえちゃんには、お兄ちゃんが2人いるみたい。
一番上のお兄ちゃんは年が離れていて、キリっとしている。あまり関わりはないみたい。
すぐ上のお兄ちゃんはすみえちゃんにいたずらをしてくるから、すみえちゃんはあまり好きじゃないみたい。
いたずらをしてくるお兄ちゃんが、すみえちゃんの髪を引っ張って泣いている。
その時、すみえちゃんのお父さんは「女なんだから、泣くな」と兄をかばっている。
え?何で⁇ 女は泣いちゃいけないの?
お兄ちゃんが悪いのに、何で?なんで…と、すみえちゃんから伝わってくる。
Aさんは、「祖母は私と同じ体験をしていたんだ」と、いちばんすみえちゃんの気持ちがわかる存在として、茫然としているすみえちゃんのそばにいきました。
「つらかったね、お兄ちゃんが悪いのにね、何で?っていう気持ち、よくわかるよ!」
とすみえちゃんをなでなでしてあげると、Aさんはフワーっと自分が軽くなったのを感じました。
(人を癒すことが、自分を癒すことにつながっている。竹のように、私たちの根っこはやっぱりつながっているんだ。疑いようのない思いを感じる瞬間です。)
◆最後に胎児期の癒しをさせていただきました。
Aさんが生まれる前、まだ魂だったころへと戻ります。
「地球の感情を味わいたい。ここはいろいろ味わえて、楽しそう!」
魂のAさんはワクワクしています。
お母さんの様子は「働いている。うん、この人がいい。心の痛みを味わえそう」。
お父さんは「酒を飲んでる(笑) 自由な人。なんかこの自由さがめっちゃいい! それに体の痛みを与えてくれそう」とお父さんとお母さんを決めました。
すごいチャレンジャー!(笑)
その後、お母さんのお腹の中へ入ると、両親がケンカをしてる様子がみえました。
「これは、生まれ甲斐がある! いいぞいいぞ!!」
そして、肉体をまといこの世に生まれると、Aさんは思いました。
「すごい、体がある(笑) うわー! 私生まれたよ!!」
お母さんはAさんが生まれたことを、とても喜んでくれましたが、その時Aさんは既に知っていました。
お母さんが白血病で亡くなってしまうことを。
そして、お父さんも早くに亡くなってしまうことも。
二人はケンカもするけど、とても愛し合っていることも。
「早く、いろんなことを経験しなきゃ!」
と思い、祖母ともかかわりを持つことを決めました。
生まれたばかりのAさんは思います。
「うん、計画通り。落ち込むことも、すべて。だから、楽しまなくちゃ」
「弟も生まれてくるんだよなぁ。この弟がまたかわいいんだ。他の人とはケンカなんてできないから、弟とケンカというものを味わうぞ!」
なかなか楽しい魂さんです(笑)
そこで大人のAさんが、生まれたばかりの自分に聞いてみました。
「私、旦那さんのこと愛しているのか、わからないの。ただ愛してほしい執着があるだけのような気がする」
⇩
「好きとか嫌いの問題じゃない。彼は人生のパートナーだからね。乗り越えていくパートナーなんだから(^^)」
Aさんは、はっとしています。
短い言葉だけれど、Aさんにはわかるんですね。
「自分の中に答えがある」を拝見させてもらう瞬間です。
生まれてすぐは、生まれてきた目的を覚えている人も多くいます。
そこで、聞いてみました!
◆この地球に来た目的は?
わたしは、見に来たの。地球を見に来た。
人間模様を見てみたい。
人の感情、思考、動きを観察して、感じたい。
すみずみまで見たい!
(完)
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【AさんからのLINE】
その後ですね、ちゃんと怒れてちゃんと泣けるようになりました。
あの子が、ここにいてくれるのが分かりますし、穏やかに安心して私の中にいます。
(中略)
しっかりと着地して生きている感じです。
(中略)
自分の本当の気持ちを聞いてあげられました。
そしたら車の中で泣けました。
呼吸も普通にできて、心も落ち着いています。
自分が喜んでいるのがわかります。
感覚を聞いて信じて、もっと喜んであげようと思います。
立った!という感じより、私の中に私がちゃんといる感覚がしています。
ありがとうございました♡
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【統合について】
人は、いくつもの仮面(ペルソナ)を被りながら生きていくものです。
そのペルソナは、誰でもが被っています。
自分を守るためには絶対に必要だから。
そしてある時、言われるんです。
「その仮面、苦しくない?」と。
そして、その仮面をどうしようか?と悩みだします。
今まで自分を守ってくれていたと思っていたのに、いつしか自分を苦しめる存在になっていたと、気づきます。
でも大切なのは、仮面ではなく、仮面を被っている「本体のわたし」の方です。
でも、窒息寸前まで重ねた仮面のままでは、「本体のわたし」はわかりません。
だから仮面にアプローチしていくんですね。
それから、「その仮面を手放していこう」ではなく、ちゃんと自分の一部として、自分の中に戻してあげてほしいと思うのです。
陰陽、光と影はセットですから、手放すのではなく、受け入れて元に戻していくんです。
それが「自己統合」です。
スピリチュアルでいう「統合」は、ハイヤーセルフや高次の自分との「統合」を言うようですが、人間としての光と闇を統合できず、そのようなことはできないと思いませんか?
そして何より思うのは、私たちは高次の存在と統合などできないんです。
だって、源と分離したことなど、一度もないのですから。
お読みいただきありがとうございました☆
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(注1)
ひどいDVや災害、いじめ、トラウマ、フラッシュバックによって日常生活に支障をきたす場合や、不安障害や適応障害のような症状がある場合は、まずは自分自身の癒しが必要です。
その場合はその時の出来事を話すことも難しいので、インナーチャイルドセッションのような対話やイメージによってのカタルシス(癒し・解放)ではなく、その時の状態に合わせたセラピーを考える必要があります。
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