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前世を知ってどうすんの?その③

前回の続きです。

 

惨めな人生だった前世を見て、私は怒りの感情に支配されていました。

その怒りは、関わった周りの人だけでなく、自分自身へも向かっていました。

 

セラピストの私のお師匠さんでもある、ヒーリングスペース「フォレスト」の陣野先生は、怒りに満ちた私と、その人生で関わった人達を和解させるため、魂だけの世界へ誘導しました。

 

陣「周りのみんなになんて言いたい?」

私「ふざけんな。ちょっとふざけただけで。みんなを喜ばすためにヘコヘコしてやったのに。ふざけんな。」

魂だけになった私は、まだ怒りに満ちています。

 

陣「そうか。惨めだったんだよな。悔しかったよな。辛かったね。」

と陣先生は、心に寄り添い優しい言葉をかけてくれます。

 

号泣して、鼻も詰まり嗚咽を上げ、怒りで震える私に

陣野先生はレイキを胸に流してくれ、落ち着かせようとしたその時です。

 

あ、、熱い、熱い、燃えてる燃えてる!!!

 

 

 

陣「どうしたの?」

私「燃えてる。燃えてる。騙された!!(号泣、再び)」

 

当時30歳くらいの私が見ていたものは、燃えている宮殿でした。

私はその宮殿の外のお堀の前にいて、200mくらい離れた燃えている宮殿を見ていました。

 

 

陣「なにがあったの?」

私「私はその宮殿の君主です」

 

と感じたことを話し始めると、場面が変わり、私は宮殿の上階にいました。

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そこは多分メキシコ。パレンケ宮殿にとてもよく似ています。

何十段とある階段の上から、眼下にある芝生と堀の外の町並みも少し見えました。

 

私は代々続くその宮殿の君主で、いつも同じ場所から、下を眺めていました。

そして近くには神官(現世の長男)がいます。

 

私は、とても傲慢な男でした。

階段の掃除夫が、少しでも楽しそうに掃き掃除をしているのを見たら、吊るし首にかけたり、

楽しそうにしている者、私を見下す者、もちろん陰口を言う者は、火をつけて燃やしたのです。

特に楽しそうな者、幸せそうな者は気に食わなかったようです。

そいつらに見合わない、自分以外は楽しそうにしてはいけない、と。

 

無能な私が威厳を保つには、その方法しかなかったのかもしれません。

皆は私を恐れました。

 

宮殿からほとんど、いや、もしかしたら一歩も外に出たことがなかったかもしれません。

外に出たら、無能な自分がみんなにばれてしまい、町中にみんなに馬鹿にされるかもしれない、という恐れからだと感じました。

 

傲慢で無能な私は、それでも代々続く宮殿と町の平和を守ろうとしました。

それは、尊敬する亡き両親のためでもありました。

 

とても立派な両親で、

優しくて、皆から慕われ、尊敬され、穏やかな人柄を感じました。

 

しかし残念ながら、私は無能でした。

それでも成り立っていたのは、神官のお陰でした。

神官の言うとおり、私は皆の前で指示をだしていました。

その時は最高にいい気分です。

皆が私を見、尊敬をし、頭を下げるのです。

 

けれど、周りの人はみんなわかっていました。

それは神官の言葉だと。

 

私は神官をとても信頼していました。

しかし、私は全てを手に入れようと、

神官の奥さんを妾の一人にし、そばに置くようになったのです。

 

それがきっかけとなったのかは、はっきりわかりませんが、

私は宮殿の外に引きずり出され、燃やされ、殺されました。

宮殿が燃やされたのではなく、私が槍に突かれ燃やされていたのでした。

(初めて宮殿の外に出たのが、殺されるときなんて)

 

「私の全部がなくなった」

「宮殿が私の全てだった」

「みんな誰も私の事なんてわかってくれない」

「代々続く宮殿を継ぐのは、私には重荷だった」

「立派な父、尊敬する両親のように自然になれると思っていた」

 

 

 

陣「本当は、みんなになんて言いたかった?」

私「私は君主ではない。この立場に生まれたからやっていただけだ」

陣「そんな立場は嫌だった?」

私「嫌だった。みんなと一緒に笑って、話をしたかった。それから神官はすごい力を持っていて、私はそうなりたかった」

陣「神官の持っているような力が欲しかった?それともみんなと仲良くしたかった?」

私「羨ましかったのは神官だったけど、みんなと一緒に仕事したり遊んだりしたかった」

 

それからセラピストの陣野先生は、この寂しさに寄り添ってくれました。

辛かったろう、寂しかったろう、誰にも話せずにいたんだねと。

今言ってごらん、その思いを言ってごらん、と言われ、私の口から出た言葉は、

 

「誰か助けて」

 

それから、みんなへ伝えたかった言葉を吐き出していきました。

そして、イメージの中で君主の赤いベルベットの服を脱ぎ捨て、みんなと同じ服を着ました。

子供の頃のように、みんなと一緒に遊びました。

陣野先生は、ずっと優しい言葉をかけ、傷ついた私を癒してくれました。

ずっと私の言いたかった言葉を、代弁してくれました。

 

息もできないほど、私は泣き続けました。

 

そして私は謝ることができました。

「みんなごめんなさい」

「苦しい思いをさせてごめんなさい」

 

そして犠牲となったみんなは、私を許してくれました。

 

そして私はこう言いました。

「宮殿は守らなければいけないから、見合う人をみんなで選び、町の人たちのために尽くしてもらいたい」

「神官に決めてもらえれば、大丈夫」

「平等で平和で豊かな町にしたい」

「争いのない豊かな町にするため、私は君主を降り、皆で、豊かになれる町を築ける人を選ぶため、王冠を置く」

 

そう言うと、みんなが拍手をしてくれていました。

みんなと同じ目線で立つことがなかったから、新鮮で気が楽になっていきました。

 

そして、その前世の私から今の私へメッセージがありました。

 

「みなと同じところに立ち、貧しいものには分け与え、寒がっている者には

服を着せ、みな平等に幸せに暮らせるよう、あなたが手助けをしなさい」

 

今の私はそんな言葉を聞いて、できるか不安になりました。

それを伝えると、前世の私がこう言いました。

 

「立派な父と母の血を継いでいるから、大丈夫だ」

「困ったことがあったら、神官(現世の長男)に問え」

 

陣「海に沈められた前世のあなた、さっきは怒っていたけれど、今はどうかな?」

私「笑っています」

 

不思議です。絶対に許さない!と思っていたあの怒っていた彼も笑顔になり、癒され、満たされていました。

 

とても濃い人生でした。

こう書いている今も、涙が止まりません。

 

そして、この前世を知って、

 

主婦の私にどんな変化が起こったか!?

 

 

は、また次に書きたいと思います。

 

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